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ahamoを海外で利用するときの注意点

投稿 更新 著者 賀来泰史

ahamoは海外でも利用できます。ただし国内で利用するのとまったく同じように海外でも利用できるわけではなく、いろいろと違いがあります。そこでahamoを海外で利用するときの注意点をまとめてみました。

ahamo

ahamoは海外でも利用できる

ahamoの音声通話とSMSとデータ通信は海外でも利用できます。もちろんテザリング(インターネット共有)にも対応しています。データ通信に関しては海外で利用するために端末の設定を変更する必要があります。

iPhoneとiPadの場合は、設定で「モバイル通信」→「通信のオプション」と進んで「データローミング」をオンにします。OSのバージョンや機種によって設定方法は異なります。

Androidスマートフォンの場合は、設定で「ネットワークとインターネット」→「モバイル ネットワーク」と進んで「ローミング」をオンにします。やはりOSのバージョンや機種によって設定方法は異なります。

この海外データローミングこそがahamoの強みです。なぜなら海外データローミングというものはキャリアとそのサブブランドならではのサービスで、MVNOにはなかなかまねのできないサービスだからです。

しかもahamoでは驚くべきことに海外データローミングの追加料金が発生しません。つまり毎月付与される20GBの通信容量を国内と海外で共用できるのです。例えば15GBを国内で利用していたら、残りの5GBを海外で利用できます。

パケットパック海外オプションや海外パケ・ホーダイのようなオプションに加入する必要もなければ、プリペイドSIMやモバイルルーターを手配する必要もないので、お金が節約できる上に手間も省けます。大助かりですね。

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データ通信の注意点

対象国が限られている

ahamoの海外データローミングの対象となる国は限られています。海外ローミングによる音声通話とSMSは200以上の国と地域で利用できますが、海外データローミングによるデータ通信は91の国と地域でしか利用できません。

世界の国の数は約200カ国なので、音声通話とSMSはほぼすべての国で利用できるということになりますが、データ通信はその半数にも満たない国でしか利用できないということになります。

もっとも91の国と地域だけで日本人の渡航先の約95%を占めているので、実用上の問題はありません。アメリカ本土も、ハワイも、グアムも、サイパンも、中国も、香港も、台湾も、韓国も、海外データローミングの対応エリアです。

大盛りでも上限は20GB

ahamoには大盛りオプションという通信容量を増量するためのオプションがあります。月額1980円(税込)の追加料金で毎月付与される通信容量を80GB増量できます。もともとの通信容量は20GBなので、それが100GBになるわけです。

20GBを国内と海外で共用できるなら、100GBも国内と海外で共用できるのかと思いきや、そうではありません。大盛りオプションに加入しているかどうかにかかわらず、海外で利用できる通信容量は20GBまでです。

それでも海外旅行者が大盛りオプションに加入する意味はあります。大盛りオプションに加入すれば、20GBを国内と海外で配分する必要がなくなり、80GBを国内で利用して20GBを海外で利用するといったことが可能になるからです。

速度制限を解除できないことも

ahamoには1GB追加オプションという速度制限を解除するためのオプションがあります。20GBまたは100GBの通信容量を超過して通信速度が最大1Mbpsに制限されても、550円(税込)の追加料金で通信容量を1GB追加できます。

ところが大盛りオプションに加入して海外で利用した通信容量が20GBを超過した場合は、1GB追加オプションを購入しても速度制限は解除されません。海外ではどうあがいても20GBが限界なのです。

なお国内と海外で利用した通信容量が100GBを超過した場合は、海外で利用した通信容量が20GBを超過しない限り、1GB追加オプションを購入すれば速度制限が解除されます。ちょっとややこしいですね。

15日間が経過すると速度制限

ahamoのデータ通信を長期間にわたって海外で利用しようとすると、通信速度が制限されます。具体的に言うと、データ通信の利用を開始した日から15日間が経過すると、通信速度が最大128kbpsに制限されます。

この速度制限は日本に帰国してデータ通信を利用しない限りは解除されません。海外では大盛りオプションに加入しようと1GB追加オプションを購入しようと解除されることはなく、ずっと最大128kbpsのままです。

短期滞在の海外旅行ならともかく、長期滞在の海外留学や海外赴任をahamoだけで乗り切ろうとするのは無理があります。滞在期間が15日以上になりそうなら、現地で通信手段を確保することも検討するべきです。

音声通話の注意点

発着信に国番号が必要なことも

ahamoの音声通話を海外で利用するときは、発着信のために国番号などが必要になることがあります。つまり相手の電話番号の前に国番号を入力したり、自分の電話番号の前に国番号などを入力させたりしなければならないのです。

発信の場合は、日本へ発信するなら「+81」、海外で日本の携帯電話を利用する人へ発信するなら「+81」、日本と滞在国を除く国へ発信するなら「+」と発信先の国番号を入力します。先頭の0は削除します。例外もあります。

着信の場合は、日本を除く国から発信させるなら発信元の国際電話アクセス番号と「81」を入力させます。先頭の0は削除させます。例外もあります。非通知になることがあるので、非通知の着信を許可しておいてください。

着信が有料

ahamoの音声通話を海外で利用するときは、電話に出るだけでも着信料金が発生します。国内では発信する側が有料で着信する側が無料というのが常識ですが、海外ではその常識は通用しません。

着信料金は1回でいくらの定額制ではなく、1分間でいくらの従量制です。価格は着信する国によって異なりますが、大体において高額です。発信するよりも着信する方が高くつくことすらあるので、要注意です。

どうしても海外で電話を受けたいなら、My 050などのIP電話アプリで電話を受けるなり、LINEなどの無料通話アプリで電話を受けるなりしてみてください。そうすれば着信料金は発生しません。

かけ放題は適用されない

ahamoのプランには他社でいうところの5分かけ放題オプションが標準で付帯しています。これは1回の通話時間が5分以内であれば、本来は30秒22円(税込)であるはずの通話料金が原則的に発生しなくなるというものです。

かけ放題オプションもあります。これは1回の通話時間が5分以内であるかどうかにかかわらず、通話料金が原則的に発生しなくなるというものです。料金は月額1100円(税込)です。

しかしこれらのかけ放題は海外での発着信には適用されません。1回の通話時間が5分以内であろうと、かけ放題オプションに加入していようと、通話料金や着信料金は発生します。なるべく海外から電話をかけるのは控えたいところです。

5万円を超過すると利用停止

ahamoをある程度まで海外で利用すると、それ以上は利用できなくなります。具体的に言うと、同月に海外での音声通話とSMSの料金が5万円を超過すると、当月末日まで海外での音声通話とSMSとデータ通信が利用できなくなります。

5万円というのはあくまで目安です。通話料金などのデータが反映されるのに時間がかかると、5万円を超過してからもしばらくは利用が停止されないことがあります。このずれは最大で30日間にも及びます。

そしてひとたび利用が停止されれば、それを解除することはできません。たとえ通信容量を追加してもデータ通信が利用できるようになるわけではありません。とにかく翌月まで待つしかないのです。

SMSの注意点

送信に国番号が必要なことも

ahamoのSMSを海外で利用するときは、送信のために国番号が必要になることがあります。つまり相手の電話番号の前に国番号を入力しなければならないのです。なお受信のために国番号が必要になることはありません。

海外の通信事業者の電話番号へ送信する場合のみ、先頭の0を削除して「+」または「010」と発信先の国番号を入力します。例外もあります。日本の通信事業者の電話番号へ送信する場合は、何もする必要はありません。

音声通話の発着信ほど複雑ではありませんが、それでもわざわざ国番号を入力するのは面倒です。そこまでして有料のSMSを利用しなくても、無料のLINEなどを利用すればいいのではないかと思わなくもありません。

ahamoで気楽な海外旅行を

以上の注意点をざっくりまとめると、データ通信の上限は20GBまたは15日間、音声通話とSMSの上限は5万円、音声通話とSMSは国番号が必要なことがある、音声通話は着信が有料でかけ放題が適用されない、といったところです。

音声通話とSMSはさておき、データ通信に関してはあまり気を使わなくてもよさそうです。海外旅行なら20GBで15日間もあれば十分ですからね。やはり通信容量を国内と海外で共用できるのが大きいです。

パケット料金の高額請求におびえたり、プリペイドSIMをあちこちで探し回ったり、モバイルルーターで荷物を増やしたりするのは、もうやめましょう。ahamoで気楽な海外旅行を満喫してください。大盛りオプションもおすすめですよ。

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