格安SIMカードのメリットとデメリット

2017年2月8日更新

格安SIMカードに乗り換えてから後悔しないためにも、格安SIMカードというものの特性をきちんと知っておくのは大事なことです。そこで格安SIMカードのメリットとデメリットをまとめてみました。

格安SIMカードのメリット

基本料金が安い

格安SIMカードのメリットといえば、何といっても基本料金が安いことです。月額1000円に満たないプランもあるくらいなので、少なくとも月額5000円はするキャリアのプランとは比べものになりません。

通信容量によって金額は変わってきますが、データ通信専用の格安SIMカードは月額1000~2000円くらい、音声通話対応の格安SIMカードは月額2000~3000円くらいが目安だと思っておいてください。

基本料金が安い代わりに音声通話が従量制なので、電話をかければかけるほど通話料金が課金されることが難点ですが、かけ放題オプションがある格安SIMカードなら通話料金の高騰を抑えられます。

かけ放題オプションの内容はそれぞれに異なりますが、月額1000円前後で3~10分ほどの国内通話がかけ放題になるという内容のものが多いです。楽天モバイル、OCN モバイル ONE、NifMoなどにこのようなオプションがあります。

音声通話対応の格安SIMカードにかけ放題オプションを追加したとすると、月額3000~4000円ほどになることが想定されます。これでもキャリアのプランに比べればずいぶんと安上がりですよね。

セット割引がある

格安SIMカードと固定回線を併用すると、セット割引で基本料金が100~200円ほど安くなることがあります。OCN モバイル ONEとOCN、BIGLOBE SIMとBIGLOBE、NifMoと@niftyといった組み合わせがセット割引の対象です。

auのauスマートバリューやソフトバンクのおうち割などと比べると割引額が見劣りするので、格安SIMカードのメリットといえるかどうかは微妙なところですが、ただでさえ安い基本料金がさらに安くなるのはありがたいことです。

格安SIMカードと固定回線のセット割引が適用されれば、向こう数年で数千~数万円を節約できる可能性があるので、思い切って固定回線を乗り換えることも検討するべきです。

固定回線を乗り換えるといっても、プロバイダーを変更するだけなら工事や配線をする必要はなく、不通期間も生じないので、それほどハードルが高いわけではありません。

商戦期には固定回線のキャンペーンが実施されていることが多く、その時期に乗り換えればセット割引だけでなくキャンペーンの恩恵も得られます。事情が許すならぜひ狙っていきたいところです。

さまざまな特典がある

一部の格安SIMカードには本来なら有料のサービスが無料になる特典があります。例えばOCN モバイル ONEでは050 plusが無料になり、BIGLOBE SIMではBIGLOBE Wi-Fiが無料になります。

このような月額数百円のサービスが無料になるということは、格安SIMカードの基本料金が実質的に数百円引きになるということなので、金銭的なメリットは決して小さくありません。

キャッシュバック、ポイント還元、通信容量増量などのキャンペーンが実施されることもあります。楽天モバイル、UQ mobile、mineoあたりはキャンペーンが多いので狙い目です。

キャッシュバックやポイント還元は多ければ1万円を超えることもあります。キャリアのMNP転入キャンペーンのように端末代金が一括0円とまではいきませんが、それでも決して少なくない金額であることは確かです。

SIMカードのみで申し込みができる

SIMカードのみで申し込みができることも格安SIMカードのメリットです。格安スマホと呼ばれるサービスの中には例外もありますが、格安SIMカードと呼ばれるサービスなら基本的にはSIMカードのみで申し込みができます。

SIMカードのみで申し込みができるということは、端末を自由に選べるということです。今まで使ってきたキャリア端末を使い続けるもよし、新しいSIMフリー端末に買い替えるもよし、すべて自分次第です。

キャリアもSIMカードのみで申し込みができないわけではありませんが、いわゆる持ち込みでの申し込みしかできない上に、プランや割引の選択肢が限られていることもあり、メリットよりもデメリットが目立ちます。

プランの選択肢が多い

日本には100社以上のMVNOがあるとされており、格安SIMカードのプランの数はざっと数百は下りません。そのさまざまなプランの中から好きなプランを選べることも、格安SIMカードのメリットです。

基本料金が段階的に上昇していくプランや、通信速度が常に低速のプラン、通信速度が時間帯によって変わるプランなど、個性豊かなプランがあります。自分好みのプランがきっと見つかるはずです。

もちろんそのように尖ったプランしかないわけではなく、ごく標準的なプランもあります。大容量の格安SIMカードにかけ放題オプションを追加すれば、できることはキャリアのプランとほとんど変わりません。

できることがほとんど変わらなくても基本料金は大幅に安くなるので、キャリアのプランに大きな不満がなくても、格安SIMカードへの乗り換えを検討する価値は十分にあります。

通信容量を節約できる

一部の格安SIMカードには通信容量を節約するための機能があります。例えば高速通信のオンオフを切り替えられる通信速度切り替え機能や、低速通信でもデータ読み込みが少しだけ高速になるバースト転送機能などです。

通信速度切り替え機能はOCN モバイル、IIJmioモバイルサービス、楽天モバイルなどにあり、バースト転送機能はOCN モバイル ONE、IIJmioモバイルサービス、DMMモバイルなどにあります。

このような通信容量を節約する機能があれば通信容量が少ないプランでもやりくりできるので、通信容量が多いプランを選ぶ必要がなくなり、結果的に出費を抑えられます。メリットは決して小さくありません。

縛りが緩い

一般的にデータ通信専用の格安SIMカードには縛りがまったくありません。つまり最低利用期間と解約金が設定されていないので、いつ解約しても解約金は掛からないということです。

音声通話対応の格安SIMカードはさすがにそうはいきませんが、それでも最低利用期間は半年から1年ほどで、自動更新もないものがほとんどです。悪名高いキャリアの2年縛りに比べればよほどましです。

このように格安SIMカードは縛りが緩いので、ある格安SIMカードのサービスにもし満足できなかったとしても、すぐに他の格安SIMカードに乗り換えられます。これも忘れてはいけない格安SIMカードのメリットです。

格安SIMカードのデメリット

クレジットカードが必要なものが多い

格安SIMカードのデメリットとしてよく知られていることですが、ほとんどの格安SIMカードはクレジットカードでしか支払いができず、クレジットカードがなければそもそも申し込みができません。

お金がないから通信費を節約するために格安SIMカードを使いたい、でも収入が少ないとクレジットカードの審査に通らない、クレジットカードがないから格安SIMカードの申し込みができない……。そんなジレンマがあります。

しかしクレジットカード不要の格安SIMカードも少数ながら存在するので、選り好みさえしなければ、クレジットカードがないことはそれほど大きな問題ではありません。

クレジットカード不要の格安SIMカードを比較

端末を用意しなければならない

格安SIMカードに対応したスマートフォン、タブレット、モバイルWi-Fiルーターなどの端末をすでに持っていればそれでいいのですが、そのような端末をまだ持っていなければ、別途用意しなければなりません。

MVNOからSIMカードと端末を同時購入するのが手っ取り早いですが、通販サイトや家電量販店などで端末が安売りされていることもあるので、まずは慌てずにじっくりと価格を比較してみてください。

実質0円や一括0円といったキャンペーン価格で端末を購入することは難しいので、販売元が分割払いを受け付けていなければ、数万円のまとまったお金を用意しなければなりません。これもデメリットといえばデメリットです。

もっとも格安SIMカードに乗り換えれば基本料金が大幅に安くなるので、たとえ端末を買い替えて数万円の初期投資をすることになったとしても、遅かれ早かれ元は取れるはずです。

例えばSIMフリースマホを3万円で購入し、格安SIMカードで毎月3000円ずつ節約ていけば、10カ月で元が取れます。さすがに10カ月も経たずに再び端末を買い替えることはないでしょうから、現実的な線だと思います。

au系は使える端末が少ない

ドコモとソフトバンクの3GにはW-CDMAというメジャーな通信方式が採用されているので、ドコモ系とソフトバンク系の格安SIMカードはおよそすべてのSIMフリー端末で使えると考えて差し支えありません。

しかしauの3GにはCDMA2000というマイナーな通信方式が採用されているので、au系の格安SIMカードはSIMフリー端末の中でもごく一部のものでしか使えません。au系の格安SIMカードならではのデメリットです。

スマートフォンの音声通話が3GからVoLTEに移行しつつある中で、au系の格安SIMカードが使える端末も徐々に増えていますが、ドコモ系とソフトバンク系の格安SIMカードに比べればまだ十分とはいえません。

APNを設定しなければならない

SIMカードを端末に入れればすぐにデータ通信ができるわけではなく、まずはAPNを設定する必要があります。ものの数分で終わる簡単な作業ですが、それでも格安SIMカードのデメリットであることに違いはありません。

たいていは格安SIMカードの公式サイトでAPN設定方法が画像や動画を交えて解説されているので、行き詰まることはないと思いますが、スマートフォンに慣れていないと手を焼くこともあるでしょう。

どうしてもうまくいかないときには、格安SIMカードの公式サイトからカスタマーサポートに問い合わせをして、相談に乗ってもらってください。この場合は有償での対応になることもあります。

安いものはすぐ遅くなる

格安SIMカードは基本料金が安いものほど通信容量が少なく、すぐに通信速度が遅くなります。基本料金の安さというメリットと通信容量の少なさというデメリットを天秤に掛け、落としどころを見極めなければなりません。

通信容量が少ない格安SIMカードでも、LINEをしたり、『Pokémon GO』で遊んだり、ブラウザでサイトを見て回ったりするくらいにしかスマートフォンを使わないなら、それほど大きな問題はありません。

しかしYouTubeの動画をストリーミング再生したり、スマートフォンで撮影した写真をアップロードしたり、アプリをダウンロードしたりするなら、何らかの対策を講じる必要があります。

通信容量が多い格安SIMカードを利用することが一番手っ取り早いのですが、それが難しいようなら、こまめに高速通信をオフにしたり、Wi-Fiスポットに接続したりして、通信容量を節約するといいでしょう。

音声通話やSMSができないものがある

当然といえば当然ですが、データ通信専用の格安SIMカードには基本料金が安いメリットがあることと引き換えに、音声通話やSMSができないデメリットもあるので、どうしても使い道が限られます。

音声通話はIP電話アプリで間に合わせる方法もありますが、フリーダイヤルやナビダイヤルに発信できなかったり、緊急通報ができなかったりするなど、実用性に欠ける部分もあるので、あまり現実的ではありません。

SMSはできなくてもいいように思えますが、SMS認証を導入しているサービスは意外に多いので、SMSができないと困ることがあるかもしれません。できればSMSオプションだけでも追加しておきたいところです。

キャリアメールが利用できない

格安SIMカードではキャリアメールが利用できないので、キャリアメール以外の受信を拒否している相手とメールのやりとりができなくなったり、キャリアメール認証ができなくなったりするデメリットがあります。

しかし近頃では家族や友人と連絡を取るならメールよりもLINEという風潮があり、キャリアメール認証を求められることも少なくなりました。以前に比べるとキャリアメールの重要度は低下しています。

Gmail、Yahoo!メール、Outlook.comなどのフリーメールで代用すれば事足りることがほとんどなので、格安SIMカードでキャリアメールが利用できないことをあまり深刻に受け止める必要はありません。

LINEで年齢確認ができない

LINEのID検索を有効にするには、ドコモならMy docomo、auならauお客さまサポート、ソフトバンクならMy SoftBankにログインし、年齢判定サービスで18歳以上であることを証明する必要があります。

しかし格安SIMカードはLINEモバイルのような例外を除き、キャリアの年齢判定サービスに対応していないので、18歳以上だと証明できず、LINEのID検索を有効にできません。これも格安SIMカードのデメリットです。

格安SIMカードに乗り換える前にあらかじめ年齢確認を済ませておくか、ID検索をあきらめて電話帳連携、招待、QRコード、ふるふるなどで友だちを探すことで対処できますが、どちらにせよ多少の不便を強いられます。

店舗でサポートが受けにくい

店舗を構えず、インターネットや電話だけで業務を完結させているMVNOは少なくありません。そのようなところの格安SIMカードを選ぶと、店に駆け込んで手早く用事を済ませることができなくなります。

店を訪れたその日のうちに商品を受け取ったり、故障した端末を代替機と交換してもらったり、店員に分からないことを相談したりはできないということです。人によっては格安SIMカードとデメリットだと感じるかもしれません。

MVNOの店舗も増えつつありますが、キャリアの店舗のように全国各地にくまなく展開するには至っていません。格安SIMカードに乗り換えるなら、店舗でサポートが受けにくいことを受け入れなければならないこともあるでしょう。

OSアップデートで不具合が起きることも

スマートフォンのOSをアップデートしたときに、新しいバージョンのOSで格安SIMカードが正常に動作する保証はどこにもありません。AppleやGoogleがあらゆる格安SIMカードの動作確認をしているとは考えにくいです。

つまりスマートフォンのOSをアップデートするたびに、何かしらの不具合が起きる可能性があるのです。これは一過性の問題ではないので、格安SIMカードのデメリットとしてはかなり厄介なものです。

実際に不具合が起きたことがありました。iOS 8にアップデートしたiPhoneとiPadで、mineoやUQ mobileなどのau系の格安SIMカードが動作しなくなったのです。今後も同じようなことがないとは言い切れません。

私はこの問題を回避するために、格安SIMカードをモバイルWi-Fiルーターに入れています。これならスマートフォンのOSがアップデートされても、格安SIMカードは影響を受けません。

端末に不具合が起きることも

ドコモ系のデータ通信専用の格安SIMカードでは、まれにセルスタンバイ問題が起きることがあります。スマートフォンの一部の機種で圏外になる時間が長くなったり、バッテリーの消耗が激しくなったりする問題です。

同様にドコモ系のデータ通信専用の格安SIMカードでは、アンテナピクト問題が起きることもあります。画面にアンテナピクト(アンテナのマーク)やデータ通信ピクト(データ通信のマーク)が表示されなくなる問題です。

これらの問題の対処法は、そもそもこれらの問題が発生しない機種を選ぶことです。MVNOが端末ごとに動作確認をした結果を公式サイトで公表していることがあるので、そのような情報を事前に確認しておくことを勧めます。

音声通話やSMSに対応した格安SIMカードでは、これらの問題が起きないことが分かっています。これらの問題が発生する恐れがある機種を利用するなら、音声通話やSMSに対応した格安SIMカードを選びましょう。

スマートフォンのrootを取得し、これらの問題を回避できるように設定をいじる方法もありますが、高度な知識を要する上にメーカー保証の対象からも外れてしまうので、あまり勧められません。

格安SIMカードは使いものにならないのか

格安SIMカードのメリットとデメリットをざっと挙げてみました。振り返ってみると色々とありますね。もしかしたら格安SIMカードはデメリットだらけで使いものにならなさそうだという印象を与えてしまったかもしれません。

確かに格安SIMカードにデメリットが多いことは否定できませんが、だからこそ基本料金が安くなっているともいえるので、仕方がない部分もあります。お金のためならある程度は受け入れるしかないでしょう。

OSアップデート時の不具合、セルスタンバイ問題、アンテナピクト問題については、それほど事例が多いわけではないので、あまり心配することはありません。ほとんどの場合は問題なく利用できます。

格安SIMカードは決して使いものにならないわけではありません。我慢しなければならないこともありますが、工夫次第で克服できることもあるので、簡単にあきらめてしまってはもったいないと思います。

私自身、格安SIMカードをいかに活用できるか常日頃から考えており、それを楽しんでいる節もあります。やはり何事も楽しむことが大事です。あれこれと調べて試行錯誤することをぜひ楽しんでみてください。

格安SIMカードの初心者はどうすればいいのか

格安SIMカードのデメリットで大きな問題になりそうなのは、導入のハードルが高いことと、できることが限られていることです。とりわけ前者は初心者にとってなかなかの難題ではないかと思います。

右も左も分からなければ、とりあえず以下の二つの条件を満たす格安SIMカードを選んでみてください。一つはSIMカードと端末を同時購入できること、もう一つはサポートが充実していることです。

なぜSIMカードと端末を同時購入するべきなのかというと、キャリア、周波数帯、SIMロック、SIMカードサイズといったややこしいことを考える必要がなく、商品が届いたらすぐに利用できるからです。

サポートについては、できれば電話だけでなく遠隔操作でもサポートしてもらえることが望ましいです。有償でのサポートになることもありますが、それで問題が解決するならいいとしましょう。

これらの条件を満たす格安SIMカードはいくつかあります。例えば楽天モバイルです。SIMカードと端末の同時購入でキャッシュバックが受けられることがあり、遠隔操作や出張でのサポートもあるので、候補としてはまずまずです。

楽天モバイルの詳細